キャンプブログですから。キャンプオンパレードですから。
流石に、あの2008年より前の1回目の時と違って、今は周囲の思うことを気にしなくなりました。
ご存じの方も多いですが、私はベートーベンが大好き。色々な音楽が好きだけど、その中でも、ベートーベンはHenry Cow より好き。
今は、モスクワからペテルブルグへ向かう飛行機の中です。もう一つの仕事で、ペテルブルグに向かっています。日本は夜中の25時。モスクワは夜の19時。モスクワは何度か来たことがあるけど相変わらず、暗く威圧的。アエロフロートの機内誌には、「冬が来た」と書いてあったけど、10月頭に出た機内誌だよ。もう…ロシアって…
でもペテルブルグは好きな街の一つ。2年ぶりです。
さて、ベートーベン。彼が残した人類の財産と言える32個のピアノソナタ。その一番最後のソナタの最後の楽章。
ソナタなのに第二楽章で終わる。
ド、ソソ、レ、ソソ、とゆっくり始まる。
本当にゆっくりとしたテンポで。感傷的になりすぎないように。
そして、少し、目が覚め、微睡みの中でゆっくりと起きる展開部。
そして、ハミングするように走り始める。有名な、「ジャズ」と言われたパーツ。
そして、どんどん清らかに上に上っていく終わり。
ソラソファソファ。
たった20分の中に、色々な人生が入ってる。まるでプルーストのような。
絶対に自分が勝てない天才を、突きつけられる曲。
お店で、何度も何度も繰り返し流し、聞いていました。決して、向こう側に落ちてはいけない。踏み止まらなければいけない。そう思わせてくれた、救ってくれた曲なんです。
中高にパチンコ大好きな音楽の先生がいました。すっごくチャラい先生でした。合唱ばかりの授業だったので、音痴の私は、ちょっと辟易してたかな。
その先生がある時、モーツァルトとベートーベンという事を教えてくれました。素晴らしいメロディをサッと弾き、「これがモーツァルト」。
そして、ちょっと退屈なメロディを弾き、「これがベートーベン」。だけど、その退屈なメロディが変化しながら大きな広がりを見せていく。そう「それがベートーベン」。
あのメロディが変化し広がっていく、ということを浮き彫りにしてくれた音楽の授業の、あの瞬間は今でも覚えています。
若い頃は、本当に才気煥発で、触れるものは全て切り従えん、と思っていました。
でも、今は、少しずつバリエーションが広がりながら、積み重なっていく、という事をわかりかけてる気がする。
ピアノソナタ32番、第二楽章。人類の至宝。
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