世界の文明には、それぞれに合うテントの形式があります。

今は、色々なテントが出ていますね。本当に多種多様。

私も、色々と見て、なるほどなあ、考えたなあ、と思うことが良くあります。


さてさて。

昔からずっと使われてきたテントの形式というのがあります。


中央アジアの遊牧民だったら、ゲル。

中国でも、三国志の時代とか、今だとマルキーと言われるテント。

ローマだったら、ウォールテント(ローマ様式)やマルキー、ラウンドパヴィリオン。

中世ヨーロッパだとヴァイキングが使っていたウェッジテント。

中東や北アフリカの遊牧民だったら、トゥアレグ。

昔のアメリカだったら、ティピー。


近世になると、特に北米で、ベルテントやベイカーテント、ウォールテントの様々なバリエーションが生まれます。


キャンプオンパレードのテントだったら

ウェッジテントというのが、ハックルベリー、

ベルテントが、Sibley's memory、

ベイカーテントが、The Last frontier、

ウォールテントが、Little House...

です。

トゥアレグ形式のテントでは、ノルディスクさんのウトガルドが有名ですね。キャンプオンパレードでもオーダーで何張りが作りました。近々で、オーダーテントのラインナップに正式に組み入れる予定です。

ラウンドパヴィリオンは、本当にかわいい。これもオーダーテントのラインナップに来年には組み入れます。


こういった各テントの様式は、それぞれの文明の形式に適しています。


1)中央アジア:建築物

 天幕そのもので暮らしをしていた中央アジア。中央アジアの天幕、ゲルの最大の特徴は、しっかりとした構造体で出来ている、ということです。布一枚で、雨風をしのぐ、というものではありません。天幕というよりも、外壁が布の建築物、といった方がいいですね。

幕を支える木材で出来たしっかりとした構造体があり、「半常設」という位置付けでした。一度、設営をすると、半年以上は、そのまま使い続けます。馬を活用できるので、しっかりとした重い構造体も持ち運びが出来ます。


2)中東:北アフリア:少しテントらしく

 同じ遊牧民でも、中央アジアと中東の遊牧民は、全く生活のパターンが異なります。

中央アジアの遊牧民は、冬と夏の生活の場所が、明確に決まっています。一旦、夏の設営地に入ると、そこに腰をすえます。牧場の経営者です。

 一方、中東・北アフリカの遊牧民は、常にある程度暑い地域の中で、交易のために、頻繁に移動をします。従って、ゲル=外壁が布の建築物、というよりも、もっと「テント」に近づき始めます。暑い日差しをしのぐために、テント中央が少し高くなっている、一部の構造物は持ち運びしやすくなっています。


3)ローマ・中国:将校と一般兵士

 ローマや中国になると、今度は「天幕=生活の場所」ではなく、「軍の野営道具」に変わります。我々がイメージする「テント」になってきます。頻繁に移動をすることを前提にしているので、ある程度は簡単に設営・撤収が出来る。

 そして、大文明国家であったローマや中国にとって、軍隊は階級社会でもありました。

 従って、将校用のテントと、一般兵士用のテントは明確に異なってきます。将校用のテントは、一般兵士に骨組みを運ばせ、組み立てをするものでした。それが、今ではマルキーと呼ばれている形式です。マルキーは、英語で「将校」という意味です。一般兵士は、自分で幕だけを運んで、設営地で、簡単に切れる木などで支えられる大きさのものになります。一般兵士のテントは、今では「軍幕」と言われるようになった形式ですね。


4)ヴァイキング:設営が簡単に

 ヴァイキングは、ローマや中国のような大文明国ではありませんでした。神出鬼没に各地に出現し、襲撃をする。ローマや中国ほどの明確は階級社会ではない。

 従って、マルキーのような、少し手間がかかる形式ではなく、より簡単に設営・撤収が出来るテントが主流になります。キャンプオンパレードのハックルベリーは、このヴァイキングのテント(と軍幕)に学んでいますが、確かに設営・撤収は楽ですから。


5)18世紀、19世紀の北米:現在のテントに近づく

 18世紀、19世紀のアメリカでは、ほぼ個人で牛を追って大陸を横断する、という行為が生まれました。1)〜4)の各形式の時は、個人ではなく集団でテントを使っていました。従って、煮炊きをする場所などは、テント中ではなく、その外に、幾つかのテントに一つのような形で設定されます。

それに対して、18世紀、19世紀のアメリカでの利用形態は、個人ですから、よりテント一つで完結をするようになってきます。この時の形式がベイカーテントとか、ウォールテント(北米型の)です。キャンプオンパレードのThe Last Frontier やLittle House... は、この頃のテントに学んでいます。テント中から外に出ないでも、その中だけ、あるいは庇の下で、料理も作れ、焚き火も出来て、寛ぐことも出来るし、寝れる。

 我々がキャンプをするスタイルとの共通点が最も多くなってきます。



こうやって見てくると、本当に、歴史を経て、天幕の形式は発展をしてきたんだなあ、と思います。

キャンプオンパレードが、ベイカーテントやウォールテント(18世紀、19世紀の北米)といった形式のテントから発表をし、その次に、ウェッジテント(軍幕、ヴァイキング)を発表をしている、という理由です。

次は、トゥアレグ、そしてその次はラウンドパヴィリオンと、商品ラインナップに加わっていきますよ。



あれ、でも日本には、日本固有の天幕の形式が無いですね。

どうしてでしょうか?

それは、明日の話になります。


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