昔、コンサルティング会社にいた。
すっごくレベルの高いところ。
そこの本当に中核に幹部がインキュベーション会社を立ち上げたときに、創業メンバー、株主、役員として参加した。
その会社は、ベンチャー企業のインキュベーションだけではなく、大企業向けのコンサルティングもやってた。私が担当したお客さんがLVMHだった。ルイヴィトン。
もう15年ぐらい前の話。
物凄く必死に調べ、提案書をまとめた。飛行機に飛び乗って、パリまでの空の中、飛行機の座席で一生懸命、英語のプレゼンをした。
パリのルイヴィトン本社の瀟洒なオフィスに着き、ずらっと、各ブランドのCEO達が並んでいる前でプレゼンをした。あれは、パリのプランタンのそばだったな。
必死にプレゼンをして、ふと顔を上げると、窓からエッフェル塔が見えた。
「あー、パリにいるんだ」とその時、やっと思えた。
だけど、プレゼンは散々だった。
当時、ルイヴィトンが圧倒的にビジネス上のポジションが強く(今もだけど)、そのルイヴィトンの顧客基盤を利用して、他のブランド達にも波及効果をもたらそう、というもの。表参道のルイヴィトンの当時に出来たばかりの店舗を活用して、会員制のビジネスをしよう、という骨子。
「お前は馬鹿か」という類のことまで言われた。ブランドとブランドを混ぜてどうする?何がブランドの価値観なんだ?世界観なんだ?小僧、出直してこい!
ルイヴィトンの日本での成長のポイントとなったのは以下の4つです。
1、絶対にライセンスをしない、他のブランドと交わらない
2、絶対に卸をしない、直販しかしない
3、絶対に自分たちの商品のセールをしない
4、価格を下げる
1は昔よくあった、タオルや靴下にブランドのロゴをつけて、お金をもらうという形態。ライセンスビジネスですね。
LVMHがKENZOやら色々なブランドを買収したら、真っ先にやるのがライセンスビジネスの打ち切り。そして小売店への卸の整理。
2と3は、相まって定価販売しかしない、ということ。誰かが自分より得した、というのが生まれないこと。
価格を下げるって、わかりづらいですね。昔は、パリでの価格の倍以上の価格が日本でついていたのを、パリの価格の3割増ぐらいに下げた。それで並行輸入とかバッタもんを撲滅した。キャンプオンパレードの商品は高いかもしれません。ただ、物を作る方から見たら、原価を考えるとこの売値だと、真似しても儲からないな、という原価率が高い価格設定です。
1−4まで、全て、短期の売上を忘れ、継続して中長期的にブランド価値をあげる、という目的のための基本方針。
キャンプオンパレードは、この4つを絶対に守ります。
1、絶対に他のブランドと交わりません。ブランドのコラボなんて持ってのほか。
2、絶対にキャンプオンパレード直接でしかご提供しません
3、絶対に継続商品のセールはしません
4、今の高い原価率を維持し続けます(物の価値に対して価値のある価格設定を守ります)
これから、まだ継続して、世界観を伝えたいと思うならば、絶対に既存の他のブランドの誘いに乗っちゃいけません。
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