2005年ぐらいだったかな?
表参道のルイ・ヴィトンの店舗が出来たばかりのころのお話。
当時、私はコンサルティング・インキュベーションの仕事をしていました。
コンサルティングの私のお客さんがルイ・ヴィトン・ジャパンさんでした。
CELUXというコンセプトの仕事でした。ルイ・ヴィトンの表参道店の、一番上に、秘密の空間があって、そこがCELUXのお店でした。
CELUXでスーツのオーダーをやるということで、何着か作ったことがあります。
ナポリのフィッターのコンスタンティーノさんでした。
ナポリのスーツって、実は分業がしっかりとしていました。
お客さんと話し合い、採寸だけではなく、その嗜好・体型・スーツの使い方を聞いてスーツの完成形をイメージする人。
カットをする人。縫製をする人。それも上着とズボンでは別だったりする。
本当に得意なことを突き詰める、ということなんでしょうね。
私は、割と普通の体型なので、オーダーでスーツを作らなくてもあっちゃう方なのですが、コンスタンティーノさんに作ってもらったスーツは、何だかまるで違う優雅なものになっていました。
パターンオーダーでは、出来ないんだよ、同じように見えて、実は細かいところを工夫しているんだよ、と言われました。型紙なんかから、調整をしているようじゃまだダメで、もっと自由に難易度の高いカットが出来ないと、と。
雑談をしながら、ちゃちゃっと、ちょっと雑に採寸をしているだけかと思っていたら、実は細かな指示をたくさん、書き込んでいたみたいです。
テントのオーダーも同じなのかなあ、と思いました。
Little house... も一応、サイズ設定はしています。ただ、実際にオーダーをされた方はご存知の通り、そのサイズ設定にとらわれずに、色々とやりとりをしながら、テントの仕様を決めていきます。
色の組み合わせを伺いながら、屋根の生地の合わせ方も変えていきます。
色に迷うときには、色々と提案をさせていただいたりしながら、絞り込んでいきます。
実は、キャンプオンパレードのテントにも「型紙」というのはありません。本当に全てのテントがフルオーダーだから、サイズをもとに、毎回、色々な箇所の長さを計算し、フリーハンドで線を引いて、生地を切り出していきます。
時間はかかりますが(お待たせをして申し訳ありません)、でもオーダーテントって、こういうことなんだろうな、と思っています。
狭い工房ですが、他に無い難易度の高いことを、成し遂げているという手応えがあります。
ぜひ、吉祥寺の工房を見学にいらっしゃってください。ご連絡をいただければ、お受けしております。